理想の家の間取り、どのくらいの広さで考えていますか?根拠はあるでしょうか? 理想的な家を建てたつもりでも、使わない部屋が出てきてしまったり、収納が足りなくなったり、狭くて住みづらかったり する後悔は意外にも珍しくありません。
本記事では山梨県で家づくりをお考えの方に向けて、県在住の方たちが平均でどれくらいの建坪数の家に住んでいるの か、その概要と家づくりの広さ決めのポイントをご紹介します。

家の広さは住みやすい家づくりに欠かせない要素です。家を建てた後に「もっと大きい家(小さい家)にしておけば…」と 悩まないためにも、本記事の知識を参考にされてください。


山梨県は富士山や南アルプスなど、まわりを山脈に囲まれた海に面しない内陸県です。 まずは総務省が公開する住宅平均建坪数の統計情報から、山梨県にどれくらい広さをもつ家が建てられているのか見 ていきましょう。
都道府県 1住宅当たり延べ面積(m²)
全国 94.13m²(約28.5坪)
山梨県 113.66m²(約34.4坪)
東京都 63.94m²(約13.3坪)
出典:総務省統計局「平成20年住宅・土地統計調査」
上の表からも分かるように、全国平均が28.5坪となることに対し、山梨県は平均で34.4坪とやや広めの建坪数です。また 国内人口最大の東京都と比べて約3倍の住宅坪数が確保されています。
山梨県にある住宅の建坪数が、全国平均より大きく出ているのは次の理由が関係します。
    山梨県の人口は47都道府県うち42位
    (約81万人)と少ない
    山梨県の人口密度は47都道府県うち
    32位(約180.36)と余裕がある
    山梨県の坪価格が比較的安価である
    (土地総合情報システム参照)
山梨県は人口が少ないこと、そして土地面積に余裕のあることから、全国の住宅平均建坪数を大きく上回るのが特徴で す。居住スペースに余裕のある理想の家が建てられるので、一軒家を持ちたい方たちから注目されています。


家の広さは住みやすさに直結します。このとき、必ずしも広ければ良いということはありません。広さを決めるにあたって 特に意識すべき3つのポイントを紹介します。
    ① 建ぺい率で家の広さが決まる
    ② 住まいの必要スペースから決める
    ③ 土地の形状から決める

① 建ぺい率で家の広さが決まる

家を建てるときに面積における制限の基準になるのが「建ぺい率」です。 建ぺい率とは、建築基準法で定められている土地の広さに対して住宅が建てられる割合のことです。都市計画の条件で 30~80%と大きな割合の差が生まれるため、住む地域によっては、同じ広さの土地であっても建てられる家の面積が変 わる場合があります。

つまり広い住宅を建てるためには、建ぺい率を考慮した余裕ある土地の準備が必要です。広い家を手に入れたいなら広 い土地が必要であり、さらに建ぺい率の大きい土地を選ぶ必要があります。 まずは山梨県の中でも住んでみたい地域にある土地の条件(価格や面積、建ぺい率)をリサーチし、そこから家の広さを 逆算していくのが良いでしょう。

② 住まいの必要スペースから決める

づくりでは、建物内にどんなスペースを設けるか検討することが大切です。例えば次のように家族の要望を洗い出し、優 先度に分けて整理してください。
    必要なスペース(優先度高):キッチン、
    リビング、家族の寝室、バス・トイレ
    あれば便利なスペース(優先度中):居間、
    2階トイレ、庭、倉庫
    要らないスペース(優先度小):書斎、ロフト
必要なスペースが割り出せれば、あとは各部屋をどれくらいの広さにすべきか考えていきます。まずは優先的に「必要な スペース」を配置していき、余裕があるなら「あれば便利なスペース」も埋めます。 もし予算オーバーになるなら、優先度が低いものから無くしていくといいでしょう。

③土地の形状から決める

家づくりにおいては土地の面積だけでなく、形状も重要です。すでに家のデザインや配置イメージをお持ちの方もいると 思いますが、選ぶ土地によってはそのイメージを実現できないかもしれません。 土地は全て正方形で構成されているわけではなく、長方形のものや角ばった土地、複雑な形の土地など条件は様々あり ます。もしイメージどおりの家づくりがしたいなら、予算と土地の形状を意識しながら土地を探してみましょう。


住宅の建坪数は、将来の居住人数を想定して計画するのが良いでしょう。
国土交通省が公開している「住生活基本計画R3.3」によると、多様なライフスタイルに対応して豊かな住生活を実現する ためには、世帯人数に対して次のような居住面積が示されています
    単身者の場合:55m²
    2人以上の世帯:25m²×世帯人数+25m²
この数値を参考として、家族構成が異なる2つの生活シーンから居住空間のイメージをご紹介します。 ※「住生活基本計画R3.3」では10歳未満の子どもは0.25~0.75人として設定されていますが、成人を迎えるまで住み続 けることを考慮し、それぞれ1人ずつとして計上していきます。

① 夫婦2人暮らし

夫婦2人暮らしの場合は、次の計算式によって必要な建坪数と土地坪数を導き出せます。
    居住面積の計算:25m²×2人+25m²
    =75m²(約22.7坪)
    必要土地坪数の計算(建ぺい率60%の場合):
    22.7÷0.6=約37.8坪
これは、前述した山梨県の平均建坪数34.4坪に比べて6割程度の広さであることから、2人暮らしであれば余裕のある居 住スペースが確保できると分かります。今後も2人暮らしを継続する予定なら、趣味やライフスタイルを取り入れた居住ス ペースを確保するのもオススメです。

② 家族4人暮らし(大人2人、子ども2人)

家族4人暮らしの場合は、次の計算式によって必要な建坪数と土地坪数を導き出せます。
    居住面積の計算:25m²×4人+25m²=
    125m²(約37.8坪)
    必要土地坪数の計算(建ぺい率60%の場合):
    37.8÷0.6=約63.0坪
4人での生活を考慮した場合、山梨県の平均建坪数よりも少し広めの居住面積を確保する必要があることが分かります。 子どもの生活を考慮して子供部屋、広いリビングなど、大人数でも住みやすいスペースを確保していくのがオススメで す。


家づくりにおいて欠かせない「住宅ローン」は、計画的な借入額の検討と支払い計画が大切です。 また、利用できる制度を最大限に有効活用したり、最新の税制制度を理解したりすることにより、通常よりもお得に住宅 ローンが支払えます。
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